同期マネのあいちゃんから回してもらいました、4年マネージャーの德丸美羽です。
あいちゃんはマネージャーの中でも、というか、これまで出会ってきた人の中でもトップクラスに気遣い上手で優しいです。その圧倒的包容力ゆえに1年生のときは「ラグビー部のママ」の二つ名を獲得していましたが、時たま繰り出される毒舌が母性を打ち負かしたのか、いつの間にかママとは呼ばれなくなってしまいました。残念です。でも今のあいちゃんも大好きです。
PS.りさこちゃんと本当は「とっっっても」仲良しなことは知っています。私は「喧嘩を止める役」として2人の喧嘩ごっこに参加しているだけなのでご安心ください。
さて、早速ですが内容に入ります。後輩のめいみちゃんから「めちゃくちゃ長文でお願いします」と言われてしまったので、それなりの分量を頑張って書いていきます。読み手の方々も頑張ってお付き合いください。
唐突ですが、私の4年間を一言で表すならば、「挫折感」です。
第一に、私はマネージャーに向いてるか向いてないかで言うと、圧倒的に後者の方だと思うからです。
まず、マルチタスクが苦手です。1年生のときに当時の先輩マネージャーから「ゴミ袋と試合用タオルを買ってきて」と頼まれ、見事にゴミ袋を買うのを忘れてルンルンと帰ってきた失態は今でも覚えています。その節は本当に申し訳ありませんでした。
加えて、手先も相当不器用だし、性格はズボラで面倒くさがりです。何もかもダメですね笑。
第二に、周りのマネージャーがみんな優秀な方々ばかりだったからです。
歴代の先輩方は言うまでもなく、同期マネもみんなとても優秀です。
れいちゃんは誰よりも部のことをよく考えていて、いつの間にかたくさんの仕事を率先して進めてくれているし、りさこちゃんはアルバイトにゼミに…と誰よりも忙しそうにしている中、疲れを見せずにテキパキ仕事をこなしているし、あいちゃんは誰よりも細やかに気遣いができて、プレーヤーの些細な様子にすぐに気づいたり、後輩のフォローも上手で…と挙げればキリがありませんが、みんなすごいなあ、と感心しきりでした。
それに引き換え、私の強みは何なんだろう、と悩み始めたのはそう遅くありませんでした。一番その思いが強かったのは2年生の終わりごろだったと思います。
焦り、危機感から私は「とりあえず何でもやってみよう作戦」に出ました。今までやってこなかったことを色々やれば何かしら向いているものがあるかも、と思ったからです。
まず、新歓PVを作りました。ソフトの使い方もまったくわからない状態から、冬オフ中にああでもない、こうでもない、と毎日四苦八苦しながらどうにか完成させました。機械音痴なので向いていたかというと微妙ですが、先輩方がほめてくれたのがとても嬉しかったです。
また、3年生のときには会計を務めました。マネ長が決まり、誰が会計やる?という話になったとき、「じゃあ私やるよ」という言葉が自然と口から出ていました。なんとなく「やったほうがきっとプラスになる」と感じたからです。
結果、仕事量の多さに辟易し、幾度となく「やらなきゃよかった」とも思いましたが、ラグビー部がいかにOB・OGの方々に支えられているのかということを実感しましたし、卒業するまでほぼ接点はないんだろうなあと思っていた近藤監督と少し親しくなることができ(たと個人的には思っています)、貴重な経験になりました。
その他、様々な経験を重ね、少しずつマネージャーとしての自信をつけたかに思えていましたが、昨年の対抗戦で試合に負けて涙を流す先輩・同期マネージャーの姿を見て、再び挫折感は強まりました。
『ちはやふる』という競技かるたを題材とした漫画に「太一」というキャラクターがいるのですが、彼が試合に負けた際に次のような言葉を残しています。
「泣くな。俺はまだ泣いていいほど懸けてない。“悔しい”だけでいい」
私もこのときの太一と同じで、泣いている他のマネージャーの姿を見たときに「私はまだ泣く資格はない、彼女たちほど懸けていない」と感じてしまったのです。
様々な役割や仕事に挑戦してはきたけれど、ただこなすことに精一杯になっていたのではないか。「何か自分の強みがほしい」という思いが目的化し、「自分の強みを活かして部の勝利に貢献する」という本来の目的から遠ざかっていたのではないか。自分は本当に部のためを思って行動できていたのか。等々。自分を責める言葉がぐるぐると頭の中をめぐりました。
そこで、4年生になるにあたって一つ目標を立てました。
試合に勝って嬉しいときや、負けて悔しいときに「泣いてもいい」と自分を許せるほど、最後の1年に全てを懸ける、ということです。
対抗戦も明日で第三節を迎えます。
もう二度と「懸けきれなかった」と後悔しないよう、いちマネージャーとしてチームの勝利のために全力を尽くします。そして、絶対に、勝ちましょう。
ちなみに、あれこれと奮闘しましたが、「これが私の強みだ」と胸を張って言えるものは今も特にありません。
でも一つだけ言えるのは、「私は誰よりもマネージャーに向いていないしコンプレックスの塊だけれど、“一橋大学ラグビー部のマネージャー”に4年間を懸けてきた」ということです。
4年目となった今も、多かれ少なかれ何かしらをやらかすことはあって、そのたびに「やっぱ自分向いてないなー」とつくづく思います。でも、不思議と本気で「辞めたい」と思ったことは一度もありません(土日の4時、5時起きが嫌すぎて「無理☆」と思ったことは数えきれないほどありますが)。これはひとえに周りの方々の優しさ、ラグビー部という場の温かさのおかげでしょう。そしてたくさんの素敵な先輩、後輩、同期から刺激を受けつつ、自分が思うマネージャーとしての“正解”にようやく辿り着けそう、そんな気がしています。
最後に少しだけ、これからのラグビー部を担っていく後輩の皆さんへ。
再び漫画『ちはやふる』から、作品屈指の名言を引用してメッセージ代わりとします。
「青春ぜんぶ懸けたって強くなれない?懸けてから言いなさい」
これは、先程紹介した「太一」というキャラクターが競技かるたの道をあきらめようとしていたとき、恩師の「原田先生」が掛けた言葉です。
この先、部活を続けていくと、楽しいことや嬉しいこと以上に、大変なことや辛いことがたくさんあると思います。なかなか成果が出ず、これまで頑張ってきたことに意味はあったのか、このまま頑張り続けて意味はあるのか…と落ち込み、“ラグビー部に4年間を懸ける”というかつての選択に自信が持てなくなってしまうかもしれません。
そんなときは、少し勇気を出して、周りに気持ちを打ち明けてみてほしいです。たぶん、普段めちゃくちゃ適当でふざけている仲間も本気で心配して、励ましてくれると思います。そうすれば、自分の頑張りを評価し、必要としてくれている仲間がいることに気づくはずです。そしてどうか、仲間と自分を信じて、“懸ける”ことを恐れないでいてほしい、そう願っています。
さて、約束通り「めちゃくちゃ長文」となりましたが、これで以上です。お付き合いくださった方々、お疲れさまでした。
部日記を書き終えてしまうと、いかにももう引退という雰囲気がしますが、最後の最後までラグビー部(特に同期)の皆様にはたくさんお世話になる気でいるので、どうかよろしくお願いします。
まだまだお世話になる予定なので、「これまでお世話になった同期、先輩方、云々…」といったお礼の言葉も、ここではあえて書かず、もう少し先までとっておきます。然るべき時が来たら、改めて伝えさせてください。
次は、一見コワモテだけど実は心優しいひょうきん者、同期マネのりさこちゃんに回します。
大好きなりさこちゃんにバトンを繋げられるなんて、ありがたきハピネス!それではよろしくお願いします。