寺澤からバトンを受け取った4年の戸田です。しょーもない話に付き合ってくれるというけど俺はそう思ってないよ!人と話すこと自体好きだし、イヤなときは露骨に態度に出るので、そういうとき以外はみんなもじゃんじゃん話してくれると嬉しいです。
ちなみにこのときしてた話なんですけど、自転車で帰ってる途中に1円玉が落ちてて、わざわざ自転車を降りて拾うかみたいな話だったと思います。僕らの答えは「時給換算して最低賃金になる秒数以下で拾えるなら拾う」でした。東京都は最低賃金が1013円なので、1時間3600秒を1013で割ってだいたい3秒くらいで拾えたら得です。当然地域によって秒数は変わります。秋田県では最低賃金が792円なので、拾うのに4.5秒くらいかけられます。すまん寺澤やっぱこの話クソしょうもないわ。
だって1円なんて誰も欲しくないし。もちろん1円に泣く者は~っていう言葉はあるけど、そもそも1円を欲しがってる人があんまりいないからこの話に価値はほとんどない。需要供給曲線という理論は誰でも知ってると思います。需要と供給の関係で価値が決まるっていうあれです。1円を欲しがる人はいないから1円以上の労力をかける人はいないし(あたりまえだけど)、宝石なんかは実生活にほとんど役立たないけどみんなが欲しがるから価値が高い。
何が言いたいかというと、ものの価値というものは自分が欲しがれば欲しがるほど(少なくとも自分の中では)大きくなるということです。これは、半年前の自分に言ってやりたいことだったりします。たしかに今シーズンはなんやかんやで満足に活動ができない状態でした。もちろん個人としてやれることはやっていたつもりですが、対抗戦が十全に開催できないと分かったとき、入れ替え戦の実施がなくなったとき、自分だけでなく、特に4年生の気持ちが沈んでいたのは痛いほど感じていました。そんな中でできることは、より勝利をほしがることだけだったと思います。状況は変えられないし、供給が決まってるんだから、価値を大きくするには需要を大きくするしかない。自分の価値は自分で決めろみたいな歌詞をよく聞きますが、結局は他の物の価値だって自分で決めるべきです。完全な形でできない対抗戦に、シーズンに価値はない?今の僕ははっきりとそんなことはないと言えます。対抗戦がどんな形であれ関係ないと思っているし、全部勝つという目標も揺らいでません。ちょっと無茶な話な気もしますが、実際喉から手が出るほど欲しかった今シーズン初白星の学習戦は自分にとってもかなりうれしいものでした。次はのどから足まで出そうなほど欲しい明学戦です。
価値の話でもう一つ思ってたことがあるので書きます。よく「ラグビーやってる人に悪い人はいない」とか、ラグビーが神聖化される勢いですばらしいみたいな言い方を聞くんですけど、僕はそれが嫌いです。最初からラグビー自体に「やってて楽しい」以上の価値を置くのはよくないと思っています。その中でも僕がラグビー部に所属して感じた価値というか、やっててよかったなあと感じるのは、周りの人たちとの関係とか、その感じ方とかがよりはっきりすることだと思っています。もっと言えばラグビー部で活動してると心の動き方がすごいです。ラグビー部に入った当初は、勝つために自分たちで死ぬ気で考え、行動する先輩の姿にシビれました。上級生になってからは、自分たちについてきてくれ、けがなどに悩みながらも自分のできることをやろうとする後輩たちに心打たれました。同期には心動かされっぱなしです。自身の強さを追求するストイックさを、ラグビーを純粋に楽しみ本気で打ち込む心を、苦しむチームメイトを考えて手を差し伸べる熱意を、自分の進む道に迷いながらそれでもこの部で戦うことを選んだ決意を、間近で感じてきました。そして、大学生になってまでこんなスポーツをすることを応援してくれた親や、大学に入る前の僕では想像つかないほど甚大なご支援をいただいているOBOGの皆様、OBOGでもないのに意味不明なほど一橋ラグビー部によくしていただいている方々への感謝を、日々感じることができました。これらはもちろん一橋ラグビー部だから感じられたことだけれど、ラグビーだからではないと思っています。ラグビーというのは枠に過ぎなくて、こういった価値はやっていくうちに後から認識できるものだと思います。だから、あんまり肩ひじ張らずに、今自分が選んだ状況、置かれた環境を楽しめばいいんじゃないかなっていう話です。
というわけで、僕はこれからの試合が楽しみで仕方ないです。活動してきた2か月の価値を、準備してきた半年間の価値を、積み重ねてきた4年間の価値をより大きくするために、残りの試合の勝利を渇望しよう。勝つまで欲しがろう。
次はラグビーと法学の二足の草鞋を履きつぶした欲張り男こと名倉に回します。俺は良いこと書こうとしてミスったから早めにいい文章を書いてくれ!