皆さんこんにちは。初めましての方は初めまして。ラグビー部新3年の増古です。部日記を書かせていただくのはこれで3回目になります。今回も例の如くバトンを受け取ってから何を書こうかチンタラ考えていたところ、知らぬ間に平本さんに先を越され遅延の謝罪まで済ませてもらっていました。平本ナイスー。彼が主将に就任してから間もないですが、部員の失態は俺の責任だと頭を下げられる、人の上に立つにふさわしい漢であると早くもご理解いただけたと思います。僕のおかげですね。今後も間接的に平本さんのかっこよさを世に知らしめる素敵な後輩でいますので、いつでもご飯のお誘い待ってます。
そして徳富くん、僕が文章書くの遅いのを知ってて部日記を回してくるの本当にやめてください。君が思っている以上に僕は追い詰められています。極めつけは僕の部日記を楽しみにしていると言ってくれた直後の(笑)です。何がおもろいねん。まあ、普段から新歓準備やウィンブレ制作を始め、部に関わるところでめちゃめちゃ働いてくれているので今回は特別に大目に見ましょう。次からは違う人に押し付けるようにしてくださいね。平本さんがお勧めです(笑)。

さて、挨拶代わりのクズムーブをかましたところで本題に参りましょう。前回の徳富くんの部日記に、漫画やアニメの世界と現実を比較するような記述がありましたが、ああいうのは僕の専売特許かと思っていたので少し驚きました。そもそも彼はこういった分野にあまり触れている方ではなかったのですが、最近興味を持ち始めたようで嬉しいですね。こちら側へようこそ。そのまま沼にハマっちゃえ。
とまあ、僕はこう言ったサブカルチャーには割と興味があり、普段から色々な漫画に手を出しているのですが、とある悩みを前々から抱えています。最初は面白く感じていた作品でも大抵途中で楽しめなくなってしまい、結局読むのをやめてしまうというもので、結構深刻に捉えています。
多くの場合、その最大の原因は物語の主人公を好きになれないことにあります。主人公属性アレルギーとでも言いましょうか。熱い感じのことを言えば周りの心が動かされたり、尖った行動をしても高く評価されたり、ライバルや強敵になんやかんやあっても結局は勝ってしまったり…。多くの主人公が劇中で見せるこのような展開に対して、ちょっとした拒絶反応を示してしまうようです。別の言い方をすれば、話の都合上、主人公の成功や周りの称賛、評価が約束されている世界が苦手だということになるでしょうか。お前漫画読むのに向いてないからもう諦めろとド正論が飛んできそうですが、お気に入りのキャラがたくさんいたり、設定や基本的なストーリー展開にはワクワクしていたりすることが多いので、できれば楽しく読み続けたいんですよね。
ほとんどの人がフィクションはフィクションと割り切り、その上で熱いエピソードや登場人物の成長を楽しむ、ということができていると思います。ご都合展開があったからといって、いちいちイライラしたりしないですよね。僕もそうした方が良いのは重々承知しているのですが、どうしても主人公を見ているとストレスが溜まってしまう。何故こうなってしまうのか考えてみた結果、僕の中にある強い劣等感が1つの要因であることに気が付きました。現実世界で、ラグビープレイヤーとして思うような成果を上げられていない状況が、フィクション世界の住人達に対して嫉妬心を抱かせているというわけです。

思えば僕がラグビー部に入ってから2年、まだなんの結果も残せていません。徳富くんの部日記に倣って卒業された先輩方を”柱”に例えるなら、今の僕はサイコロステーキ先輩くらいでしょうか。穴があったら入りたい。彼を知らない方のために簡単に説明しておくと、「ヤムチャを100倍弱くして性格を歪めた」感じのキャラクターです。神龍でも救えないんじゃないかな。
そんなサイコロステーキ先輩をサイコロステーキ先輩足らしめているのは、彼が持つ噛ませ属性であると言えるでしょう。これは主人公属性と対立する概念で、持つものに確実なる破滅を与えます。鬼滅の世界に誕生した時点でサイコロステーキ先輩にはサイコロステーキになる道しか残されていなかったわけです。サイコロステーキになるために生を受けたとも言えますね。フィクション世界の悲しい犠牲者です。

そう考えると、フィクション世界の主人公を羨んでばかりいる僕ですが、現実世界に生まれてむしろラッキーだったかもしれません。この世界には成功が約束された人物がいない代わりに、破滅が約束された人物もいないのですから。今はサイコロステーキレベルの実力しかない僕にも、”柱”になれる可能性がわずかでも残されているはずです。大変な挑戦にはなりますが、やってみるだけの価値はあるでしょう。
現実世界の僕には主人公のように友情、努力、勝利が約束されているわけではないけれど、噛ませとして死んでいく運命が与えられたわけでもない。もちろんこの世界にもどうにもならないことはあります。でも、結構たくさんのことが自分次第でどうにかなるのも事実です。少なくとも、ラグビーという分野において、自分自身に満足し劣等感から抜け出せるくらいの成功なら、自らの手で掴み取ることが許されていると信じています。すでに友情には恵まれているしね。

最後に話を戻しますが、今後僕が現実世界で結果を出し、劣等感から解放されたとしても、漫画の主人公や彼らが生きている世界を好きになれるかは分かりません。多分どこまで行っても苦手なものは苦手でしょう。ただもしかすると、「おいルフィ、お前まだワンピース見つけてねえのかよ。俺なんかもう明学倒しちまったぜ」とマウントとりながら楽しんで読むぐらいの余裕が持てるようになるかもしれませんね。すでにラスボス倒しちゃった炭治郎は知らん。
ここまでお付き合い頂き本当にありがとうございました。ずっとジャンプで固めておいて恐縮ですが、最後は快適な漫画ライフの到来を祈りつつ、いつも通り冒険の書に記録するという形でこの日記を終えさせて頂きたいと思います。

さて、次回の部日記はすでに練り上げられた闘気を持つ超新星、木村くんにお任せします。
コロナの影響もあり、彼とはこの前ようやくまともに顔を合わせることができました。ほぼ初対面の状態でグイグイ絡みに行ったので、「俺はすでに君のことが嫌いだ」とか思われてなければいいのですが。彼が成功を掴み取れる未来を願いつつ、そっとバトンを渡そうと思います。よろしく。