凛太郎から紹介いただきました、4年プロップの河合平太です。私の想いをこれだけ多くの方々に見ていただける貴重な機会は一生になかなかないことですから、皆さんに私の想いが伝わるよう、精一杯文章を書かせていただきます。

ラグビーをどれだけ痛い思いをして頑張っても別にお給料がもらえるわけでなく、せっかく一橋大学に入学したなら、いい企業に入るためにインターンに行ったり資格を取得したり留学したり、あるいはアルバイトをしてお金を稼ぐことに時間を割いたほうが正解と思う方が大多数かもしれません。実際に、新入生をラグビー部に勧誘する際にも「部活に時間を奪われたくない。」と断られたことが何度もあります。地元の親友のせっかくの誘いにも、「部活あるで行けんわ…また誘って!」と申し訳なくライン。就活でラグビーの話しても面接官が理解してくれるとは限らないし、全然評価されない。

「なんで俺はラグビーやってるんだ?」

このような経験をする度に、何度も自分に問いかけました。感染症によって部活動が制限された時、この問いはさらに頭を駆け巡りました。

「学生は不要不急の外出や活動を控えてください。」

足の裏の皮膚の半分がめくれて首が動かないくらいスクラムを組み続けた努力を知らない人たちに、自分の努力なんて意味のないものだったと、自分の積み上げてきたものを否定されているような気がして、自分たちのラグビーは大学・社会にとって不要不急のものなのだと考えるようにさえなりました。世間の大多数にとってどうでもいい不必要な事に俺は血と汗を流していたのかな。

それでも、今までもこれからも、僕はグラウンドに立ち、ボールを持ったら目の色変えて相手を吹っ飛ばしに行くし、突っ込んでくる奴には本気で体をぶつけ、スクラム1本1本に自分のプライドを賭けます。

ラグビーをするという世間にとって不要不急であるかもしれないことが俺にとっての正しい道なんです。どんなけ痛くても辛くても、対価がなかろうとも、社会の役に立たなくても、一橋でラグビーをすることは俺にとって、とても価値のあることなんです。

ラグビーをすることは自分にとって正しい道である といえる理由。それはこの部活に時間という命を捧いできた指導者、先輩、同期、後輩、マネージャーがいて、彼らの情熱が自分を突き動かしたこと、自分のことを本気で応援してくれる方々が人のために行動することのかっこよさを教えてくれたこと、の2つです。

一橋の3番として未熟だった僕を見放すことなく、ずっと見てくださった永井さん。2年前の試合を今でもよく観ます。僕の名前を呼んで、本気で一橋のスクラムに向き合ってくださって、永井さんのおかげでプロップとして成長することができたと思います。上智戦後に褒めていただいたことが今でも僕の心の支えになっています。

身体づくりの基礎を教えてくださり、試合やトレーニングで上手くいかないときも背中を押して寄り添ってくださった竹内さん。今でもデッドリフトやスクワットで追い込み、きつい時に、竹内さんの声が聞こえてきた気がして力がみなぎってきます。谷保の地下で成長した身体で今年も暴れます。

1年生の時、スクラムを指導いただいた久保さん。1年の夏に組み続けたスクラムが今でも活きています。対抗戦中にモチベートしていただいて、戦い続けることできました。

望月さんに去年の試合後のきつかった慶應での合同連や成城戦でスクラムを褒めていただいたことは僕の財産です。これから生きていくうえでも、「あの時あれだけスクラムできたからいけるやろ」と思えます。フォワードとしても多くの引き出しをいただきました。今シーズン、結果で恩返しさせてください。

松岡さん。最後の1年でかなりお世話になりました。出たがりな自分の背中を押してくれ、トレーニングから治療までいろんなサポートをしてくださった松岡さんにはとても感謝しています。今シーズン、これからもお世話になります。

ケーシーさん、戸田さん。1年生で初めて出会った瞬間からめちゃくちゃ勧誘してくれて、そこから2年間一緒にスクラム組んで、佐々木組の時に明学からゴール前でターンオーバーできたスクラムは今でも何回も観ています。今4年生になってお二人のすごさ、強さをひしひしと感じています。今の一橋のスクラムへのこだわりはケーシーさん、戸田さん抜きではなかったと思います。また3人でスクラム組みたいですね。

フロントロー未経験なのにスクラムに本気で向き合ってくれた大島、樋口。お前らが必死に頑張ってるのに、食らいついてるのに、俺が頑張らなくてどうするんだって、大島と樋口の情熱・姿勢のおかげで何度も奮い立たされました。またスクラムでやりあおう。学芸戦、上智戦、成城戦みたいに3人でまたSTしような。

かわいい後輩、やまかん、木村、大輔、岩澤、島村、瀧瀬へ。お前らと本気でスクラム組んで、向き合って、めちゃくちゃ成長してくれてすごく刺激もらってた。言い訳せずに本気でぶつかってくる君たちの情熱は、これからの一橋のスクラムの土台になって、まだ見ぬ後輩に一橋の伝統として受け継がれていきます。また本気でぶつかり合おうな。サイン河合で。

僕を応援してくれた方々へ。

阿久津さん。数えきれないほど阿久津さんからごちそういただきました。ここまで応援してくださる阿久津さんがいらっしゃることで、もっともっとラグビー頑張ろうと心から思えました。昨年、成城戦に勝った時も本当に喜んでくださっていて、自分も嬉しくなりました。今年も応援してよかったと思っていただける試合をします。これからも一橋ラグビー部の応援よろしくお願いします。

お母さん、お父さんへ。「痩せたんじゃないの?もっと食べやー!」とたくさんおいしいご飯をふるまってくれて、遠い名古屋から東京に試合のたびに駆けつけ応援をしてくれて、真空パックで手作りチキンを送ってくれて、ラグビーに打ち込むことを本気で応援してくれました。いろんな友達の話を聞いていても、ここまで真剣に応援してくれて、自分の味方になってくれる両親はいないと思います。自分もこんな親になりたいと思っています。この家族で本当に良かったと思います。本当に本当にありがとう。両親が誇らしいと思えるようなラガーマンになります。お世話になった分、これからは親孝行させてください。

いろんな思い出、幸せたちに感情を揺さぶられています。ラグビーに全力を注ぐことを俺にとっての正しい道だと思わせてくださった皆さんには感謝してもしきれません。

最後に、これまで僕を正しい道へ突き動かしてくれた方々へ、少し傲慢な約束をさせてください。次は、僕の情熱でみなさんを突き動かさせてくれませんか。一橋ラグビー部に関わってよかった、河合平太と関わってよかったと少しでも思ってもらえたら本望です。「へいたも頑張ってるし、俺も明日から少し頑張ってみるか。」そう思ってくださるようなプレーを、熱を届けます。僕にできる精一杯の形で、感謝の想いを、自分の生きざまを、グラウンドで表現します。

次は聖龍です。聖龍は僕が今まで出会ったことのないようなおもしろいやつです。体重30キロ1年で増やすし、キッザニアの財布を使っているし、背が高くて体重あるのにめちゃくちゃ足速くて、何より僕の後ろから3年間スクラムを押し続けてくれた仲間です。スクラムの前に「後藤ここ頼むぞ」といったらめちゃくちゃ強い押しが来ます。普段寡黙な男の熱い言葉を楽しみにしています。聖龍、ここ頼むぞ。