こんにちは。僕は二年生でラグビーをしている山本といいます。二村くんが次の人として紹介していたしんごくんは僕の次の部日記で登場しますので、もう少しお待ちください。

僕は部のホームページにも名前が載っていません。部に入っているかどうかもはっきりさせていないのですが、部活には行っています。誰が書いているんだと訝しげにこのページを眺める人はいると思いますが、とりあえず文章を書かせていただきます。初めてこういったものを書くので緊張しています。

僕の名前は「山本大」と書きます。見てわかる通り、簡単で画数が少ない漢字ばかりです。名前全部で11画です。一方、同期の瀧瀬くんの総画数はなんと63画にものぼります。つまり、単純計算だと、瀧瀬くんが一回名前を書く間に山本大が約6人、立ちあらわれることになります。なんだか恐ろしい呪術のようです。まあ、他人と名前の画数を比較することほど意味のない、どうでもいいことはないでしょう。

また、

と縦書きにすると、すべての文字が左右対称であることがわかります。これに気づいたのは中学校の社会科の先生でした。そのときは、彼が赴任して初めての僕のクラスでの授業で、彼は挨拶もそこそこに、クラスの名簿を手に取り、ずれた眼鏡を直しながらじっくりと眺めていました。そしたら、ふいに大きな声で、「山本くん! 君、左右対称だね。」といいました。何を言っているんだろうと思いました。左右対称だったとて、何がいいのでしょう。あまりにもどうでもいいことでした。彼はその後、左右対称な名前についてしばらく語っていました。

この世はどうでもいい出来事ばかりです。でも僕は、こんなどうでもいいことが連なっていく日常の中を生きるのが案外楽しいと思いはじめてきました。というか、勉強についていけないし、学校に知り合いも少ないし、不安定な社会情勢とか、そんな現実から目を背けたいだけなのかもしれません。授業ではあんまりメモを取らないけど、近頃は身近にあった小さな出来事をメモするようになりました。今回は、恥ずかしながらそれを発表したいと思います。

×月×日 

国分寺駅のホームで、ハトが柿の種を食べていた。ピーナッツを食べればいいのに、と思った。

×月×日 

地元の「や台ずし」の目の前のガードレールに寄りかかっているアジア系の中年女性に「ワサビショウユ?」と声をかけられた。

×月×日

バイト代をはたいてリカちゃん人形を買った。そして、リカちゃん人形の頭皮が青いことに驚く。(↑写真)

×月×日

スーパーの食品売り場で、賞味期限が遠い商品をゲットするために、棚の奥のほうの商品からとるという裏ワザがある。今日、ドラッグストアで、トイレットペーパーを棚の奥からとっているおばさんがいた。新鮮なのだろうか。

×月×日

コンビニでミンティア一つ買ったら店員さんがおしぼりをつけてくれた。

×月×日

道にハリボーがいっぱい転がっていて、なんとなくメルヘンチックだ。思わず一つ食べてしまった。何の味だろう。

このように、少し変な日常を見つけると、少しテンションが上がりますが、どうでもいいことには変わりありません。これほどのどうでもいい内容を長々とかいてしまい申し訳ない気持ちでいっぱいです。でも、くだらないことを見つけて楽しめることは案外幸せなことのようにも思えます。そんなどうでもいい日常は続きます。

次はしんごくんです。彼の経験は僕にとっては非日常で面白いことばかりです。