お久しぶりです。同期2大お喋り星人の片割れ、徳富君からバトンを受け取りました。もう片方の増古です。休部期間が長引き誰ともお喋りできない彼は、そろそろ精神を病んでいる頃でしょうか。僕は最近鏡の自分と会話することを覚え、極めて健康的な日々を送っています。
まず初めに、更新が非常に遅れてしまったことを深くお詫び申し上げます。大遅刻の理由は単純で「書く内容を思いつかなかったから」ということになります。
実はもう1年程も前、入学直後のことになりますが、「よしふみLv1」という題名で「勇者になりたい」などいうふざけた文章を投稿し たのが、僕の初めての部日記でした(どうやら今は旧サイトの方でしか見られないようです)。細かい内容はどうでもいいんですが、その中で、ドラゴンクエストの名言、「勇者だから なにかを なすのではなく なにかを なしたから勇者なのだ」というフレーズを紹介しました。これを書いて以来僕は、第2回以降の日記で勇者になる途中経過、すなわち自分がそれまでに達成したことをシリーズ的に書いていこうと思い描いていたのですが、その考えはあまりにも甘すぎました。大学ラグビーのレベルは想像以上に高かったのです。昨年は中々に苦しいシーズンとなりました。1年を通じて、僕の力は全く通用せず、もちろん何かを達成することもできず、ひたすらにもがき続けていました。圧倒的実力不足により、魔王討伐の旅に出してすらもらえない状態です。スライムにすらなぶり殺される勢いでした。そういうわけで、(もちろん良い経験、楽しい経験はたくさんありましたが)経過として日記に書けるようなことは何も無かったのです。
今年に入って、少し状況は変わりました。4年の先輩方が抜けたこともあり、必然的に存在感を出せる場面は増えました。去年よりもさらに厳しい練習の中で、強くなっている自分を実感できて非常に嬉しかったものです。あとは試合で結果を出せるよう、自分を磨きつつも万全の準備を整えていました。こうして、戦士見習いとして厳しい訓練期間を耐え抜き、ようやく冒険の旅へと1歩踏み出そうとした、まさにその時。突然現れた謎のウイルスによって、僕の勇者設計図は完膚なきまでに破壊されました。薬草は買い占められ、武器屋防具屋は営業自粛。仲間と街を歩こうものなら即死呪文「密death」が四方八方から飛んでくる。魔王討伐どころではありません。なんなら魔物(他校)も自粛中です。結局また何も達成できないうちに、家に引きこもるしかありませんでした。
そんなこんなで、欲しかったネタが手に入らず、マジで書くことねーなーとダラダラしているうちに、いつのまにか1か月半が経過してしまいました。大変申し訳ございません。
さて、謝罪のみで非常に長い文章となってしまいましたが、一応ここから本編です。最後まで目を通していただければ幸いです。
前述の通り、我が部もコロナウイルスの影響を受け活動自粛となってしまいましたが、我々部員はいつか再開する日、そして対抗戦を見据えて自主トレに励まねばなりません。そうはいっても、器具なしでやる筋トレ、自主的に行うランには、普段より更に自分を追い込む力が求められます。苦しい日々の中で僕は、ゲーム、ファンタジーではない、現実の世界で勇者を目指す難しさを改めて実感しました。
ゲーム世界の主人公は、一度レベルを上げて仕舞えば、どんなにサボろうがどんなに引きこもろうが、その力を失うことはありません。ずっと強いままでいられます。しかし、現実の僕等はどうでしょう。何もしなければ体力、精神力共にみるみる弱くなってしまう。そして、一度下がってしまったレベルを上げ直すことがどれだけ大変かは、今まで何かに打ち込んだことがある人ならば、どなたでもお分かりになるでしょう。
普段通りの生活ができていれば、僕がこの差を実感するようなことはあまり無かったように思えます。毎日仲間と顔を合わせ、共に練習する。常に自分より上の人だらけの世界で過ごす。このような環境下にあれば、大抵の人間は、何もしないなどということはなく、嫌でも自分を追い込み、ある程度の努力とレベルアップを達成できるでしょう。しかし、ウイルスによって他者とのつながりが断たれた今の社会では、人は自らを自らの力で鼓舞し強くなる必要があります。そんな状況で頭に浮かんでくるのは、仲間がサボっている姿、やらない言い訳ばかりです。「あいつも何もやってないんじゃないか」「今日は疲れているから明日にしよう」などという考えに負けてしまったら最後、何もやらず、レベルは下がる一方です。
そんなこんなで、「いいよなー、勇者達は。楽な世界で冒険できて」なんて思っていたのですが、ある時ふと考えました。もし、彼らの世界でウイルスが発生したとしたら、彼らはどんな生活をするだろうかと。何もしなくても誰にもバレない。しかも力も維持できる。そのような、人間の弱さ、心の甘えが最も現れやすい状況がやってきた時。それでも、勇者とその仲間達は、やれるだけの鍛錬を積み続けると思います。彼らも人間ですから、弱気になったり、全てをやめてしまいたくなったりすることもあるかもしれません。しかし、自分自身との戦いに勝ち、きっと仲間も成長していると信じて、厳しい世界にいようが楽な世界にいようが関係なく、常に最大限の努力をし続けられる者が、最後には魔王を倒せるのではないでしょうか。
いつだって「なにかを なす」のは、いついかなる時もやるべきこと、それ以上のことをやってきた人々です。そう考えられるようになった今では、この時間は自分が勇者になれるかどうかを決める、1番大事なイベントなのだと考えています。サボりたい気持ち、仲間を疑う気持ちをグッと堪え、いつでも決戦の旅に出られるよう、そして今度こそ結果を出せるように自分を高めつつ、今回はこの辺りで筆を置き、冒険の書に記録させて頂きたいと思います。
ここまでお付き合い頂きありがとうございました。次回は、嬉しいことに我々の新しい仲間となってくれた、都築君にお任せします。彼のどこか冷めた、それでいて的確なツッコミは、早くも同期の円滑なコミュニケーションには欠かせないものとなっています。よろしく!遅くなってごめんね。
P.S. 王様、早く10万ゴールドください。