小曽根からバトンを受け取った、4年の山本寛太です。非常にフレンドリーな彼とは真逆の性格かと思いきや、実は意外と似ているところが多くあります。なので、一番意見が合うのも、一番言い合いをするのも彼です。まあ喧嘩するほど仲がいいということでしょうか。

そんな彼にちゃんと書いてくれと言われましたが、僕は自分のことを話すのが得意ではありません。なので1つだけ、4年間で一番心に残ったことを書こうと思います。それは去年と今年の対抗戦の話です。

僕は去年の対抗戦中から部活に「行かなく」なりました。休部です。このチームやラグビーが嫌になったわけではなく、いろいろ重なって「もう全部どうしようもない」みたいな考えで頭がいっぱいになっていました。後から振り返ると、大きな怪我をしたわけでも、重い病気になったわけでもありません。「行けなく」なったわけではないです。自分が頑張ればよかっただけのことです。でも頑張れませんでした。休部中、家でも何もできず、ずっと対抗戦のこととか、今後どうすればいいのかとかひたすら考えていましたが、結論は出ず、3か月経ち島田組でのラグビーは終わってしまいました。

結局冬オフ明けの新チーム練習まで部活に行かず、復帰後もずっと休んでいたうしろめたさとか申し訳なさが残り、部員と顔を合わせるのが気まずく、練習後グラウンドや部室に居づらくて、すぐに帰っていました。でもいつの頃か、白石と村山に「そんなこともう誰も気にしてない」と言われました。これが転機でした。チームは新しくなり、もう次の目標に向けて進んでいる。自分一人だけまだ去年の休部を引きずっていることに気付かせてもらいました。同じチームでラグビーをする以上、いつまでも足手まといになってはいけない、自分にできることをやろうと切り替えられました。白石、村山、ありがとう。

シーズンが進むにつれてまた別の気持ちを持つようになりました。それは、去年の対抗戦の勝ち負けを経験しなかった後悔です。時々「去年の東大戦は~」「成蹊戦の~が」のような話を聞きますが、話の内容は分かっても、その時の嬉しさとか悔しさといった感情はみんなと共有できません。いつかの飲み会で、小曽根に「自分が何もできなくてもチームが勝つだけでうれしいから試合観に来な」と言われました。その時の僕は自分のことで精いっぱいであまり理解できず、言い合いになってしまいました。でも今はすごく良く分かります。観に行っていれば良かったです。小曽根すまなかった。

そんな気持ちを抱くなかで、今年の対抗戦も折り返し地点を過ぎました。僕は、去年の後悔の分まで今年やり切って、残り3試合絶対勝って、清々しく終わりたいです。そして飯食ったり酒飲んだりしながら、去年はできなかった思い出話を遠慮なくしたいです。

お世話になった方々へ。

島田組の4年生には、3年間、グラウンド内だけでなく、阿久津飯やゲーム、TFCでのウエイトですごくお世話になりました。休部中もたくさん声をかけていただきました。ありがとうございます。最後一緒にプレーできなかったことが悔しいです。卒業した今でも忙しいなか試合に来ていただいています。後藤さん樋口さんは一緒にプレーしてくれています。なので絶対勝って恩返ししたいです。

阿久津さん。1年生でまだ部活が始まっていない頃から一番長くお世話になりました。遠くの試合にも足を運んできただき、勝っても負けても声をかけてくださり、本当に感謝してもしきれません。残り3試合、勝つところをみせられるよう頑張ります。

竹内さん。大学で戦える身体を作っていただきありがとうございました。今でも一橋大ラグビー部を気にかけていてくださり、嬉しいと同時に頑張らなくてはと思えました。

松岡さん。上手くいかないときにずっと親身にサポートしていただきありがとうございました。おかげ様で、今何の不自由なくプレーできています。最後、松岡さんに80分出場しているところをみてもらえるように頑張ります。

ぜんたさん。後遺症のことを気遣ってくださって、治療のサポートまでしていただき、本当にありがとうございました。元気なプレーができているのは紛れもなくぜんたさんのおかげです。

齋藤さん、みどりさん。4年間お世話になりました。普段できないような経験を多くさせていただきました。それだけでなく、部活のことや就活のことでたくさん話を聞いていただきました。僕にとって大きな学びの場でした。ありがとうございました。

実家の家族には色々心配かけました。いつまでも治らなかったコロナのこと調べてくれたり、毎月仕送りくれたり、時には食べきれないんじゃないかと思うくらい米とか食べ物送ってくれたり。ありがとう。今年やっとちゃんとしたプレーをみせられると思い、先日の明学戦、4年間の対抗戦で初めて観に来てもらいました。でも目の前で怪我して余計心配かけてしまいました。気を付けます。

後輩。真面目で優しく、それでいて頼りになる後輩ばかりで、自分は恵まれているなと感じます。特にだいすけ。セットプレーの時、元気なだいすけの声が一番心強いです。頼りない先輩を支えてくれてありがとう。残り3試合も頑張ろう。

振り返ってみると、僕は本当にたくさんの人の支えがあって過ごせているのだと感じます。本当にありがとうございました。このことに気付けただけで、入部した意味がありました。今の環境を当たり前だと思わず、感謝を忘れず、残りの大学ラグビーをやり切ります。 次は真甫ちゃんにバトンタッチします。彼女とは育った環境が何となく似ていて、東京に来てからの悩みとか周りの人の話とかをします。だいたい同じ考えなので、話していて心地よいです。この1年、一人だけの最高学年マネージャーとしてすごく大変だったはずです。ここまでサポートしてくれてありがとう。お疲れ様。